引きこもり発達障害プログラマーのブログ

発達障害当事者が日々の生きづらさ解消のためのことを考えるブログ

引きこもりプログラマー日記11

本題に入る前に、前々回と前回で間が空いてしまったことについて。

 

仕事で忙しかったこともあったのですが、

前回記事のところの無料体験を受けてかなりモヤモヤしていたため

気が向かなくて更新が遅れました。

 

本音を言えば、

「就労移行の方は無料だからいいけど、学習内容がUdemyなのに

入会金20万円+月額利用料5万円はありえない。ぼっ○くりか??」

・・・というような記事を書くつもりでした。

 

ですが、時間を空けたことで冷静になり、

「希望の就職ができた人がいるならいいか」と思えるようになりました。

 

プログラミングスクールはものすごくお金に余裕がある人が行くところです。

ものすごくお金に余裕がある人なら検討してみてもいいかもしれません。

 

特性を活かして希望の職種に就けた発達障害者がいることは実に喜ばしいですが

それでもやっぱり学習内容がUdemyでこの値段は強気すぎるので

今後料金が改定されることを期待します。

 

 

今回はWebエンジニアになるまでに私がやってきたことについて書いていきます。

 

 

 エンジニアを目指す前の私の状況

まずはエンジニアを目指す前の状況について。過去何回か書きましたが改めて。

  • 就職氷河期世代のアラフォー女
  • 大学を中退(MARCH文系)
  • 前職を辞めてから引きこもり
  • アルバイト、派遣、契約社員などを点々として正社員経験はなし
  • プログラミングは未経験
  • 趣味でWebサイト作成、運営経験はあり
  • 発達障害(ASD)で、大人になってから診断された

 

希望していた職種、勤務形態など

  • 障害者雇用
  • 完全在宅勤務
  • 自分が好きな時間に働ける
  • 時短勤務
  • 出来ればプログラミングの仕事

 

エンジニアにはさほどこだわりがなく、

なんとなく「IT系の職種は在宅勤務できそうだから」という

漠然としたイメージで決めました。

(今思えば見切り発車にも程がある)

コロナ禍前で今より在宅勤務の選択肢が少なかったことも理由です。

 

前職で通勤するだけで疲れてしまい、仕事が終わって帰ってくると

疲れ切って何もできなくなってしまうことが珍しくなかったのもあって

「通勤はもう無理」「家で仕事したい」という意志が強くありました。

 

数年間引きこもっていましたが、

2019年の7月ごろに突然「そろそろ働こう」と思い至り

 

(働く決意をした理由は自分でもよくわかりませんが

前職を退職した直後は毎日のようにうなされてよく眠れず、

自分の「苦しいー!!!」という寝言で起きることが続いていました。

時間が経つにつれ、その頻度が減っていたことが関係あるかもしれません)

 

障害者雇用の在宅勤務のデータ入力業務の求人にいくつか応募しました。

どこも書類落ちでした。

 

そんな中、めちゃコマのメールマガジン

プログラミング学習ができる就労移行支援のことを知りました。

 

サポーター会員募集 | 株式会社ウチらめっちゃ細かいんで

 

家族が引きこもり支援のNPOに出入りしていて、私も何回か行ったことがありました。

そこでめちゃコマのことを知り、メールマガジンを登録していたんです。

 

就労移行支援は前職を退職した直後に何箇所か見学に行きましたが

どこもしっくりこず、結局どこにも通わなかったのですが

在宅のサポートもしていてプログラミング学習もできることで興味が湧き、

まずはメールで見学を申し込みました。

 

 

就労移行支援に行った

エンジニアになれた理由としてはこれが一番大きかったと思います。

 

見学、体験の後は自治体の手続きが完了するまでしばらくかかりました。

その間も仮入所扱いで通わせてくれました。

8月に見学と体験をして本入所が11月でした。

 

就労移行支援に通うことを決めた理由

  • 引きこもりへの理解があった
  • 精神、発達障害専門の事業所だった
  • プログラミングの学習ができた
  • 週2日、3日から始めることができた
  • 入所者の人数が少なかった

 

理由はこのあたりですね。

引きこもりだと正直に話しても職員さんは普通に話を聞いてくれました。

その後の自治体の手続きで自治体の人にはあからさまに冷たい態度を取られましたが

事業所の職員の人が引きこもりに偏見がなかったことは入所を決めた一番の理由です。

 

「入所者の人数が少なかった」は後から誤算が。

見学した時は入所者は5人くらいでしたが、

本入所の頃には10人くらいになってました。

本入所した後も毎週のようにひっきりなしに

見学や体験の人が来て落ち着かなかったです。

「少人数で落ち着いた雰囲気でいいな」と思ってたんですけど

私が退所する頃には20人くらいになってました。

途中で在宅に切り替わらなかったら辛かったかもしれません。

 

就労移行支援に通い始める

私がお世話になったセンターは当初は在宅のサポートがなく、通所でした。

無理せず通える範囲でと最初の2ヶ月は週2日、その後2ヶ月は週3日で通ってました。

 

通所の日はプログラミング学習、

ビジネススキル講座、メンタルトレーニング講座などを受けて

通所じゃない日は家でぐったりしてました。

 

「やっぱり通勤は無理」と思い始めた頃にコロナ禍で緊急事態宣言になり

入所者全員が強制的に在宅支援に切り替わりました。

在宅支援になってからは週5日で学習し続けました。

 

就労移行支援のプログラム

  • プログラミング学習(HTML、JavaScriptPHP
  • ビジネススキル講座
  • メンタルトレーニング講座
  • グループワーク
  • 就職活動の準備(履歴書の書き方指導、面接練習など)

 

元々個人でWebサイトを独学で作って何年か運営していた経験があった私には

就労移行支援のプログラミング学習はかなり楽勝でした。

早々に全ての講座を終えた私は「なんだ簡単じゃん?」とかなり甘く見てました。

職員さんに「もっと学習教材ありませんか?」と聞きましたが

やはり簡単なのしか出されなかったことに内心キレて

その後独学で突っ走ることになります。

 

私は人に何か言われても自分のやり方を貫きたい、

こだわりが強いタイプの発達障害者です。

 

エンジニアの実務をするには

人に言われた通りのことしかやらないのではなく、

自分で調べて、考えて、それを実行して完了させることがとても重要です。

 

就労移行のプログラミング学習は物足りませんでしたが

「これ以上スキルアップするにはどうしたらいいんだろう?」と

自分で調べて考えて勉強する力が身についたので、

結果的には物足りなくて良かったと思ってます。

 

もし、学習内容が充実していたら

人に言われるがままに学習を進めてしまい

自分で考える力、自走力は身についてなかったかもしれません。

 

エンジニアになれたのはものすごく運が良かったこともありますが

自分自身のこだわりと好奇心がいい方向に働いた結果だと思ってます。

 

人に何もかも教えてもらっているだけではエンジニアとして成長できません。

いい意味で、ある程度突き放された状況であったことは良かったです。

 

 

プログラミング学習以外では、就活対策とかですね。

障害者雇用の採用では

就労移行支援などの支援機関と繋がりがあることが条件の求人もあります。

就労移行支援に入ること自体が就職に有利に働きますので

これも入って良かったと思うポイントです。

 

あとは、グループワークなど。

引きこもっている間に自分で思っているより社会性が失われていたため

グループワークのおかげでそこそこ取り戻せました。

 

 

長くなってきましたので、今回はこれまで。

次回はWebエンジニアになるまでにやったこと、プログラミング独学編です。

 

引きこもりプログラマー日記10

今回は前回の続きで、ニューロダイブオンラインさんについて書きます。

 

challenge.persol-group.co.jp

 

ニューロダイブオンラインさんは就労移行支援事業所ではありません。

「就労移行に通えない人へ」と書いてある通り、

障害者手帳がない人や就労移行の期間を使い切ってしまった人、

また通所ができない人でも利用できるオンライン有料学習サービスです。

 

学習内容はプログラミング、機械学習、データベースなどIT分野と

就労移行支援にあるようなビジネススキル講座、就職対策などがあります。

 

近年、「ニューロダイバーシティ」という

発達障害者の特性をありのまま受け入れようとする考えが受け入れられつつあり、

中でもIT分野で発達障害者人材を活用しようとする動きが広がっています。

 

参考サイト

www.meti.go.jp

 

IT関係の学習ができる就労移行支援事業所の中には

「これを勉強しても求人がないから就職できないのでは?」

と思ってしまうところもありますが、

ニューロダイブオンラインさんの親会社のパーソルグループさんは

豊富な求人情報を扱っています。

実際求人があるからこそこうした学習サービスを立ち上げたのだと思います。

 

就労移行支援ニューロダイブとの違い

  • 有料
  • 障害者手帳がなくても利用できる
  • オンラインで学習できる
  • 自分のパソコンを使う
  • ビジネススキル講座はニューロダイブの方が手厚い
  • 企業インターンがない
  • 入社後のフォローがない

一番違いが大きいのが「有料」でしょうか。

就労移行支援であるニューロダイブはほとんどの人が無料で利用できます。

(前年度の世帯収入による)

オンライン説明会で値段を伺いましたが、入会費+月額利用料金がかかります。

一般的なプログラミングスクールと同程度です。つまり何十万円。

 

ニューロダイブのWebサイトにある通り、

プログラミングなどの学習内容はUdemyの講座です。

Udemyは個人利用もできます。

 

Udemyの講座は個人利用で1講座で通常料金では1万円、2万円かかるものも多いですが

セール中は1講座1200円〜2000円くらいで購入できます。

講座ごとに買い切りになっており、1度買った講座はいつでも好きな時に受講できます。

 

1500円の時に買ったとしたら1ヶ月で4講座を買ったとしても月に6000円。

ニューロダイブオンラインは月額数万円。

つまり、単にUdemyの講座を受けたいだけなら

Udemyを個人利用した方が遥かにコスパがいいです。

 

料金の点だけで話をするならば、就労移行支援のニューロダイブに行ける人なら

オンラインよりも就労移行支援の方が断然おすすめです!

 

 

オンライン説明会、無料体験の感想

興味があったので説明会と無料体験を受けてみました。

説明会はZoomで行われ、後でPDF資料で見直すことができ、とても親切でした。

 

無料体験期間は2週間ほどで、1週毎にZoom面談があります。

1週目は講座を受講、2週目は受講した内容を元に成果物を作成します。

そして、成果物について最後の面談でフィードバックがあります。

面談以外にも、分からないことがあった時などに

チャットワークでやりとりできます。

 

無料体験はUdemyのこちらの講座を使って行われます。

 

www.udemy.com

 

講座の感想は、内容がちょっと古め。初心者には多分難しい。

 

変数やfor文などの説明がないまま講座が進んでいくため

プログラミング学習をしたことがない全くの初心者には難しいかもしれません。

不安な人はあらかじめPythonの基本文法を学んでおくといいと思います。

 

こちらのpaizaラーニングの講座は完全無料で学べます。

paiza.jp

 

講座の受講が終了するとその内容を元に成果物を作成し、

パワーポイントで提出します。

私は一応現役のエンジニアでスクレイピングの経験もあったので結構余裕でしたが

これを全くの初心者が2週間でやるとなるとどうなのかな?と思っていたら

無料体験の最後の面談で答え合わせがありました。

 

無料体験は向き不向きが大体分かる、「フィルター」なのだそうです。

発達障害者は人によって様々な特性があり、

全ての発達障害者がプログラミングに向いているとは限りません。

無料体験で出来が良くなかった人は

その後の学習進度も良くないことが多いのだそうです。

 

IT分野での求人が増えてきたからと言っても、まだまだ少ないのが現状です。

全ての人が希望の職種には就けない。

「必ずしも就職できるとは限らない」と説明会でも言われてました。

 

ニューロダイブオンラインさんで希望の分野へ就職できた人もいるようですが

高いお金を払っても就職できない人もいます。

 

また、Udemyは動画講座です。

発達障害者の認知特性は人によって様々で、動画学習が向いていない人もいます。

こちらの診断で自分が動画学習に向いているか分かります。

micri.jp

 

この診断で「3D」の項目が高い人は動画学習に向いていて、

低い人は本人の知能の高さに関わりなく動画学習が苦手のはずです。

 

ニューロダイブ、ニューロダイブオンラインは

人を選ぶところだ、というのが率直な感想です。

向いている人にとってはいいところ、そうでない人には厳しそうです。

 

 

就職できるかどうかについて

これが一番大事ですね!

面談でお話を伺いましたが、大手企業のデータ分析の仕事に就けた人がいるようです。

 

パーソルグループさん傘下のdudaチャレンジさんでも

データ分析の求人をいくらか見つけることができますし、

そのような求人は増えつつあります。

希望の職種に就けた人がいるのは本当に素晴らしいことだと思います。

 

しかし、データ分析以外の求人についてはどうなんでしょうか。

私は機械学習エンジニア、AIエンジニアに興味があって

無料体験に参加したのですが、正直難しいかもしれないです。

 

と、言うのも障害者雇用機械学習エンジニアの求人を見たことがないからです。

求人がなかったら就職できませんね。

本気で機械学習エンジニアを目指すなら一般雇用です。

 

それから、職員さんがエンジニア経験がなさそうな人でした。

面談で私の今のスキルについて聞かれましたが、

プログラミング言語のことしか聞かれませんでした。

 

エンジニアにとってプログラミング言語以外のスキルもとても重要です。

言語以外のことに詳しくなさそうなのは「未経験者目線」だと感じました。

エンジニア経験がない人がエンジニアの養成をするのは難しそうです。

言語以外のスキル、チーム開発経験などが

実務経験者と未経験者の間にある一番の壁だからです。

エンジニアの仕事はコードを書くより他のことをしている時間の方が長いです。

 

あとは、機械学習エンジニアはなった後も大変そうです。

私は現在Webエンジニアで、平日仕事、休日勉強してます。

機械学習エンジニアにはとても高度な知識や技術が求められます。

論文を読んだりするのが普通なのだそうです。

 

Webエンジニアでも結構辛いですが、

機械学習エンジニアになりたいなら更に勉強が必要になります。

機械学習エンジニアは高収入であることが多いですが、

エンジニアの収入はほとんどの場合、本人の知識や技術に比例します。

優秀なエンジニアほどたくさん勉強をしています。

高収入を目指すなら覚悟しておくべきです。

 

まとめ

長くなりましたが、最後にまとめです。

  • プログラミングなどの学習内容はUdemyなので特筆すべき点はない
  • 就労移行に行けるならそっちに行ったほうがいい(値段の点、手厚さの点で)
  • 就職できるとは限らない。向いてない人は特に。

お金に余裕があって、

Udemy以外の要素に入会金数十万円と毎月数万円の価値が見出せる人なら

まずは説明会、無料体験を受けてから考えてもいいんじゃないでしょうか。

実際に希望の職種に就職できている人がいるのは素晴らしいことです。

 

ですが、お金がない人、収入がない人が

就職するための最後の手段とするのはおすすめできません。

高いお金を払っても就職できるとは限らないからです。

 

この記事は決してニューロダイブオンラインさんを

悪く言うつもりで書かれたものではありません。

 

障害者雇用は単純労働であることがまだまだ普通の世の中で

発達障害者の特性が活かせる職種が増えてきて、

活躍している人がいることは本当に嬉しいですし、もっと増えてほしいです。

 

ただ、これを読んでいるのはおそらく、引きこもりで収入がない人が多いはず。

そんな人が求人も少なく就職できるとは限らないのに

高いお金を払う大博打をするのは危険です。

よく考えてからにしてください。

就労移行の方に行けるなら行ってください。

 

データ分析の仕事がしたいとしても、どんな求人があるか調べてからにしましょう。

求人が少ないため、希望の条件があるとは限りません。

特に完全在宅勤務は人気かつ求人数が少ないです。

 

 

機械学習に興味がある人へ

単に機械学習の勉強をしたいだけなら無料で学習できる方法がたくさんありますし

機械学習に興味があるなら、まずはそれらを試してからでも遅くないと思います。

qiita.com

 

機械学習エンジニアになりたいなら高いお金を払う前に

まずはQiitaなどで情報収集をおすすめします。

「未経験から機械学習エンジニアになった勉強法を公開」的な記事もありますので

そういった物を参考にするといいんじゃないでしょうか。

お金を払うかどうか判断するのは十分調べてからにした方がいいです。

決して安くはない料金を払うんですから。

 

 

次回は、私がWebエンジニアになるまでにしたことをざっくり。

引きこもりプログラマー日記9

プログラミング学習ができる就労移行支援事業所の中でも、

私が注目している事業所をいくつかピックアップしていきます。

 

今日はニューロダイブさんの話です。

 

challenge.persol-group.co.jp

 

基本情報

設立:2019年11月

就職者数、就職率:情報なし

在宅支援:なし

プログラミング学習の内容:Python、Tableau、R言語など(Udemyの講座内容)

 

ニューロダイブは発達障害精神障害、難病の人向けの事業所です。

主にデータサイエンスや機械学習について学べることが売りのようです。

 

障害者雇用の人材紹介やコンサルティングを行うパーソルチャレンジの関連会社です。

 

challenge.persol-group.co.jp

 

特徴としては、やはり高度なITの学習ができることです。

こういった高度な学習ができるところは珍しいです。

 

学習にはUdemyが使われています。

 

www.udemy.com

 

Udemyはシリコンバレー発の学習プラットフォームで

プログラミング初心者から現役のエンジニアまで様々な人が利用しています。

(私も利用しています)

 

他のプログラミングスクールや就労移行支援事業所は

独自の学習内容が行われていることが多く、

どんな学習をしているか入ってみるまで分からないことがあり

入って後で「思ってた学習内容と違った‥」ということがありがちですが

Udemyなら事前に講座内容を確かめておくことができます。

 

Udemyは個人利用ができますので、

気になった方は先にチェックしておくといいと思います。

(Udemyには無料の講座もあります)

 

ニューロダイブのWebサイトに「5500以上の学べる講座」と書いてありますが

Udemyにはプログラミングだけでなく、様々な講座がありますので

若干大袈裟かな?と思いました。

5500以上は本当のことですが、Udemyには料理の講座とかもあります。

 

就職実績についてですが、

Webサイトに記載されているのは関連会社の「ミラトレ」さんの数字ですね。

ニューロダイブはまだ開設したばかりの新しい事業所ですので

就職率はまだまだ未知数といったところでしょうか。

 

ちなみにプログラミング学習ができる事業所のWebサイトにありがちな

「IT業界は人材不足!」的なグラフが載ってますね。

IT業界は人材不足でも発達障害の未経験者を募集しているとは限らないため

あまり鵜呑みにしない方がいいでしょう。

 

 

説明会、体験利用の感想

ニューロダイブが開設した時点で、私はもう他の事業所を利用していましたので

見学や体験利用をしたことはありません。

ですが、関連事業のニューロダイブオンラインの体験利用は受けてみました。

ニューロダイブオンラインについては次回書こうと思います。

 

 

これまでのまとめ

ここまででKaien、フロンティアリンクキャリアセンター、ニューロダイブを

紹介してきました。

 

本音を言わせてもらいますと、Kaienさんが一番おすすめです。

障害者向けの支援やサービスなど行なっている会社には胡散臭い所もありますが

実際に体験してみて、

Kaienさんは本気で発達障害者の地位向上を考えてくれているのを

肌で感じることができました。

他の事業所を検討している人でも

発達障害者ならまずはKaienに行った方がいいです。

 

Kaienが近くにない場合は

Kaienのパートナー企業でKaienと同じプログラムが受けられるようなので

そちらを検討してみてはどうでしょうか。

 

今回はここまでです。

次回はニューロダイブさんの関連事業、ニューロダイブオンラインについて。

ニューロダイブとほぼ同じプログラムを在宅で受けることができます。

(ただし有料)

引きこもりプログラマー日記8

プログラミング学習ができる就労移行支援事業所の中でも、

私が注目している事業所をいくつかピックアップして紹介していきます。

 

今回はフロンティアリンクキャリアセンターの話です。

 

career.frontier-link.jp

 

基本情報

設立:2018年4月

就職者数、就職率:情報なし

在宅支援:あり(自治体の許可が必要)

プログラミング学習の内容:HTML、CSSJavaScriptPHP

 

フロンティアリンクキャリアセンターは精神・発達障害専門の事業所です。

プログラミングを学べるAコース、Officeソフトを学べるBコースの

2種類の学習コースを選ぶことができます。

 

また、関連会社に引きこもり経験者、当事者が主体となって設立された

日本初の会社、株式会社ウチらめっちゃ細かいんでを持ちます。

(以下めちゃこま)

 

mechakoma.com

 

在宅支援をしている就労移行支援事業所が増えてきましたが

そのほとんどがコロナ禍で制度が変わってから在宅支援を始めたところです。

フロンティアリンクキャリアセンターはコロナ禍以前から

在宅支援を行なっており、在宅支援には一日の長があります。

 

利用した感想

ここは私が実際にお世話になった(なっている)事業所です。

在宅の仕事を探していたのと、プログラミング学習ができることに

魅力を感じて利用しました。

 

めちゃこまを関連会社に持っているだけあって、

職員さんたちは引きこもりに理解のある人が多かったです。

少なくとも私は引きこもりに対する差別や偏見は感じませんでした。

 

プログラミング学習はライブラーニングと言われる

フロンティアリンク独自のもので

動画を見ながら真似してコードを入力したり、

演習問題を解いたりといったプログラムでした。

入門者向けで、内容が古かったです。

 

このライブラーニングだけではとても実務レベルとは言えないので

本気でエンジニアになるつもりなら自分で勉強する必要があります。

 

この前職員さんと話した時に

「Progate導入を考えている」といった話をしていました。

Progateはプログラミング初学者にはベストな選択肢で

ライブラーニングよりはレベルが高いですが

Progateでも実務レベルには達することはできないです。

その先は自分で勉強しないとエンジニアになるのは厳しいと思います。

 

prog-8.com

 

私は結構好き勝手自分で勉強していましたが、独学でかかった費用は全て自腹です。

プログラミング学習にはそれほどお金はかかりませんが

自分で勉強するつもりなら月何千円かの出費は覚悟しておいた方がいいです。

(収入がない引きこもりにとっては痛かったです)

 

とはいえ、パソコンは借りられますし、私が勝手に勉強してても

職員さんたちは利用者それぞれの自主性に任せてくれてました。

利用者を尊重してくれる事業所だと思います。

 

 

就職先・定着率について

career.frontier-link.jp

 

Webサイトの情報では就職率や就職者数の具体的な数字は分かりませんでした。

定着率は6ヶ月で82%と書いてあります。

IT系の職種や在宅の仕事に力を入れてくれていますが、

未経験でのエンジニア求人、在宅の求人はそもそも少ないので

楽観視しすぎない方がいいです。

 

 

最後に

プログラミング学習については物足りなく感じましたが

自分でどんな学習をすればいいのか調べて考えて実行する力はつきました。

その調査力、思考力、実行力はエンジニアにとって重要なスキルです。

私の場合は物足りなかったことが逆にエンジニアとしての実力向上に繋がりました。

結果的には良かったと思ってます。

 

開所してまだ数年しか経っていないため、まだまだな部分はありますが

Progate導入を考えてくれたり、職員さんはとても頑張ってくれています。

これからに期待したいです。

 

 

今回はここまでです。

次回は別の事業所、ニューロダイブについてです。

 

引きこもりプログラマー日記7

プログラミング学習ができる就労移行支援事業所の中でも、

私が注目している事業所をいくつかピックアップして紹介していきます。

 

以前にも書きましたが、就労移行に限らず

発達障害の人にとって環境にフィットするかどうかはとても重要なことです。

就労移行支援は見学や体験入所ができますので、

必ずいくつかの事業所を自分の目で確かめてみてください。

 

今日はKaienの話です。

 

www.kaien-lab.com

 

基本情報

設立:2009年9月

就職者数:2021年 264人(累計 1,698人)

在宅支援:あり(自治体の許可が必要)

プログラミング学習の内容:HTML、CSSJavaScriptWordPress

Java、C#、PythonPHPSQL

 

Kaienは発達障害専門の事業所です。

就労移行支援以外にも生活リズムを整えるための生活訓練、

学生向け、子ども向けのサービスなど幅広く展開しています。

 

事業所の場所は東京近郊が中心ですが、

日本全国にパートナー企業が多数存在しています。

 

就労実績が多数あり、定着率が高いことがKaienの特徴です。

就職した後もサポートが手厚いようです。

 

Kaienは就業実態調査を行なっています。

こうした実態を公開している事業所は貴重です。

信頼できる事業所だと思います。

 

www.kaien-lab.com

 

プログラミング学習の内容についてですが、

Webサイトには詳しいことは書かれてませんでした。

 

私は5年以上前にKaienに見学と体験入所に行きましたが

その時はまだプログラミング学習を行なっていませんでした。

なので、どんな内容なのか具体的には分かりません(すみません‥

 

www.kaien-lab.com

 

私が体験した時は古本を販売するネット通販の運営みたいなことをやってました。

 

見学の後にKaienの社長さんに個人面談をしていただきましたが

少し話をしただけなのに、私にとって必要なことをズバリ言い当てられました。

発達障害の多種多様な特性について理解が深く、頭のいい人だと思いました。

 

Kaienの社長さんはお子さんが発達障害で、

ニューロダイバーシティに強い関心を持っている方のようです。

 

corp.kaien-lab.com

 

社長さんについてはネットで検索するといくつかの記事を見つけることができます。

興味のある方は調べてみてください。

 

また、Kaienはコロナ禍をきっかけに在宅支援を始めています。

(在宅支援には自治体の許可が必要です。)

 

 

見学と体験に行った感想

和気藹々としていて利用者同士の雰囲気がとても良かったです。

学生向けの支援を行なっているためか、全体的に若い人が多い印象でした。

発達障害専門なので、困りごとの相談がしやすそうだと感じました。

 

 

就職先・定着率について

www.kaien-lab.com

 

一昨年のデータでは約9割が障害者雇用、約8割が非正規。

職種は軽作業、事務系が約7.5割。

それ以外ではIT系の職種が約1割。増えてきているようです。

 

現在、精神、発達障害向けの障害者雇用

ほとんどが軽作業や事務系の職種であることを考えると、

Kaienがニューロダイバーシティの推進に力を入れていることが

数字に現れていると言っていいでしょう。

 

そうは言っても、IT系の職種はまだ約1割。

これでも従来に比べれば多いはずですが、

プログラミング学習ができると言っても

まだまだ全員が希望の職種に就けるとは限りません。

そもそも軽作業、事務系以外の求人が少ないことが大きな壁になっています。

 

 

最後に

Kaienは就労移行支援以外に自立訓練(生活訓練)も行なっています。

「引きこもってて生活リズムが安定しない。いきなり就職は無理」

という人はまず自立訓練で生活能力のトレーニングをしてから

就職を目指すことができます。

 

www.kaien-lab.com

 

それ以外にも発達障害者やグレーゾーンの人に役立つ情報をYoutubeで配信したり

Webセミナーを頻繁に開催したり、幅広い支援を行なっている事業所です。

 

www.kaien-lab.com

 

どの事業所に行ったらいいのか分からない人はまずはKaienをお勧めします。

www.kaien-lab.com

 

定着率、利用者満足度の高さが最大の注目ポイントだと思います。

 

今回はここまで。

次回は別の事業所、フロンティアリンクキャリアセンターの話です。

引きこもりプログラマー日記6

引きこもり始めてから既に数年が経過し、

まだプログラミングの学習をする前の2019年の私はこんなことを考えていました。

 

  • 過緊張とか過集中に加えて気圧変化とかで頻繁に体調崩す
  • 週5日のフルタイム労働は無理
  • 通勤途中で体調を崩す時もあり、できれば通勤したくない

 

そんな理由で前職では頻繁に休んだりしてたけど

完全在宅勤務ができれば、まともに社会復帰できると思う!

当時は新型コロナウイルス流行前。

在宅勤務の仕事が今ほど多くなく、IT業界で主に行われているイメージでした。

 

それに加え、IT業界で発達障害人材を活かそうという

「ニューロダイバーシティ」の考えについても知っていました。

 

うーん、発達障害者がIT業界で活躍してる事例があるの?

IT業界なら引きこもりながら働けるかもしれないし、目指してみるか?

 

‥という、まっったく経験どころが知識もない状態で

プログラミング学習ができる就労移行支援事業所の門を叩くことになります。

そして、就職活動を始めてからようやく厳しい現実と向き合うことになります。

 

 

とあるメールマガジンでプログラミング学習ができる就労移行支援事業所を知った私。

プログラミングを教えてもらえるんだ!

それなら、プログラマーとかエンジニアになれるのかな?

 

‥なれない!普通はなれないんです!ものすごく厳しい!

不可能ではないけど、とにかく今のエンジニアの世界は未経験者に厳しい!

未経験であることに加えて、アラフォーで!

エンジニアは若い方が圧倒的に有利です。

「エンジニア35歳定年説」なんて本当か嘘か分からない説もあります。

 

IT業界は人材不足が慢性化していますが、人材不足をこじらせすぎて

人材不足⇨新人を育てている余裕がない⇨人手が増えない⇨人材不足‥

という人材不足の負のスパイラル状態です。

人材不足だからといって未経験者は歓迎されていません。

歓迎されているのは実務経験者です。

 

leverages.jp

 

新卒でさえ1年以上のプログラミング経験を求められる有様。

さすがに「プログラミング経験」であって「実務経験」ではありませんが

中途にはさらに高度なスキルが求められます。

 

さらに、Google検索。「未経験 エンジニア」で検索すると

「未経験 エンジニア やめとけ」「未経験 エンジニア きつい」

なんてサジェストが出てきます。厳しさが検索結果に現れています。

 

さらにさらに、エンジニア交流サイトで「未経験」で検索すると

大量の記事がヒットします。

 

qiita.com

 

記事の内容は未経験からエンジニアになるための勉強方法、

未経験者がエンジニアになるのは厳しい、就職活動に苦労した、

就職活動で20社、40社、70社受けた。

 

中には200社近く受けたという人もいます。

qiita.com

 

 

この人は500社以上受けていますね。年齢が高いほど厳しくなります。

qiita.com

 

と、そんなふうに未経験からエンジニアになるのはものすごく大変です。

プログラミング学習を始める前の私は、完全に甘く見ていました。

そして、就職活動を始めてから焦り出しました。

 

完全在宅勤務がしたくてIT業界を目指す!という着眼点は間違ってないのですが

現実を知らないと大変なことになります。

 

「アラフォーで発達障害の引きこもりの私でも完全在宅勤務のエンジニアになれた!

その方法を教えます!」

のようなな記事を書いた方が注目を集められるかもしれませんが

厳しい現実を知ってしまった以上、そんな能天気で無責任な記事は書けません。

そういう内容を期待していた人には申し訳ありませんが、地味に堅実に行きます。

 

プログラミング学習ができる就労移行支援事業所が増えてきたといっても

ここ数年で設立されたところも多く、職員さんも経験不足です。

 

また、「未経験者がイメージするエンジニア」と

「実務経験者が認識しているエンジニア像」にはかなりギャップがあります。

私もエンジニアになる前となった後に大きなギャップを感じました。

 

leverages.jp

 

この非エンジニアと実務経験者のギャップこそが

採用においての決定的な差、大きな壁なんですが

悲しいことに、非エンジニアにはそれが分からない。

エンジニアを育てたことがない経験不足な職員さんも分かってません。

 

実際、私はプログラミング学習とかほとんど自分で勝手に調べてやってました。

勉強方法について相談しても

「こんなので本当にエンジニアになれるの?」

というものしかお出しされなかったので。

 

長くなったのでまとめます。

  1. 未経験からのエンジニア転職はかなり厳しい。20代でも厳しい。
  2. 年齢が高いとさらに厳しい。
  3. プログラミング学習できる就労移行支援事業所はプログラミングは教えてもエンジニアになる方法は教えてもらえない(職員さんも知らない)

 

甘く見てると大変なことになりますよというお話でした。

それでも引きこもりながら仕事したいからエンジニアになりたいんだ!という

絶対的強力な意志がなかったら心が折れてたと思います。

いや、1回折れました。就職活動中に抑うつが再発しました。つらかった。

 

そんな感じで、絶対に一生出社しない!出社無理!とか

発達障害者がエンジニアに向いてるならチャレンジしてみたい!

誰に何を言われても諦めない!などの強い意志がある人にしかおすすめできません。

 

これからこの「引きこもりプログラマー日記」は

そんな一生出社したくない強烈な意志を持った人だけに向けてお送りしていきます。

ただ就職したいだけならエンジニア以外の方が圧倒的に楽です。

 

それと、発達障害者がエンジニアに向いているかどうかについてですが

そんなことは私が知りたい。

通説では向いているとされ、海外では実際に活躍されている事例もありますが

全ての発達障害者が向いている訳ではなく、主にASDの人が活躍しているようです。

しかし、全てのASD者が適正があるとは言えないみたいです。

 

http://www.japanordic.com/assets/wp-content/uploads/2017/09/13.pdf

 

つまり、プログラミング学習を始めたはいいけどやっぱり向いてないかも?

という事態も十分考えられます。

 

どんな人が向いているのか、いちエンジニア、いち発達障害者としての意見ですが

勉強し続けていける人が向いていると思います。

勉強好きな人、学生時代勉強が得意だった人、高学歴の人、読書好きな人、

そしてIQが高い人が向いていると私は考えます。

 

エンジニアになるためには勉強しないといけません。

そして、エンジニアになった後も勉強し続けなければなりません。

この勉強し続ける真面目さ、勤勉さ。

適正についてはいろんな意見があると思いますがこのあたりが一番重要だと思います。

 

 

次回から数回はプログラミング学習ができる就労移行支援事業所の中でも

私が注目している事業所の話です。

 

先に挙げておきます。

  1. Kaien(発達障害者ならまずここ。発達障害専門事業所の先駆け)
  2. フロンティアリンクキャリアセンター(関連会社が引きこもり支援をしている)
  3. ニューロダイブ(高度なプログラミング学習ができるが、人を選ぶ)

まず次回はKaienさんの話をします。

引きこもりプログラマー日記5

今回は、おすすめの事業所について書く予定でしたが

その前に注意事項などを書いておきたいので今回と次回は予定を変更します。

 

今日は就労移行支援事業所を利用する上での注意点について。

 

前回までにも少し書きましたが

就労移行支援は就職まで何もかもやってくれるところではありませんし、

利用したからといって必ず就職できる訳ではありません。

 

事業所独自の就職先を紹介してくれるところもありますが選考は普通にあります。

あくまで「支援」をするところです。

履歴書の書き方を教えてくれたり、面接の練習をしてくれたりはしますが

就職活動は自分自身が主体です。

 

就職率については調べてみたんですが、公開している事業所は見つかりませんでした。

「○○人就職した実績があります」みたいな紹介はあるんですけど

何人就職できなかったかは全然書いてないんですよね‥

 

私が利用していた事業所は就職できた人もいれば、できなかった人もいました。

就職できる人の方が多かったですが

入所したからといって油断していると危ないです。

 

特に引きこもりで完全在宅勤務希望の場合は

そもそも完全在宅自体がレア求人ですので、求人を見つけるだけでも大変です。

在宅勤務求人の大抵は「在宅勤務可能」で週1在宅可とか週2在宅可で

完全在宅の求人となるとかなり限られます。

完全在宅希望の場合は、就職活動期間を長めに見積もっておきましょう。

私は半年以上かかりました。

 

 

それから‥これは大事なポイントなんですが、

精神、発達障害者は就職できたとしても離職率が高いです。

 

職場にフィットするかどうか、障害特性をカバーするため無理しすぎてしまうなど

さまざまな理由で離職のリスクはあります。

 

就職活動するとき、あまりにも事業所に頼りすぎてしまうと

もし離職した場合、再就職でつまづくことになるかもしれません。

 

楽な方法を取ってしまうと、後からツケが回ってきます。

 

就労移行支援を利用する時は、そうした離職のリスクも考えつつ

再就職するための力をつけることも大切です。

 

就職するためのノウハウをしっかり学んで、

それを就職活動に活かすことができれば自信につながります。

就労移行支援を使える期間は限られていますので、有効に使っていきましょう。

 

 

次回は、未経験からエンジニアになるのは一般雇用でも大変だよという話です。

 

前回の記事を読んで「障害者雇用で未経験からエンジニアになるのは難しいのは

分かったけど、一般雇用ならそれほど難しくないんじゃないの?」と

思われた方がいるかもしれませんが、そんなことはないです。

今のIT業界は「人手不足とは言ったが、未経験者を雇いたいとは言っていない」