引きこもり発達障害プログラマーのブログ

発達障害当事者が日々の生きづらさ解消のためのことを考えるブログ

引きこもりプログラマー日記10

今回は前回の続きで、ニューロダイブオンラインさんについて書きます。

 

challenge.persol-group.co.jp

 

ニューロダイブオンラインさんは就労移行支援事業所ではありません。

「就労移行に通えない人へ」と書いてある通り、

障害者手帳がない人や就労移行の期間を使い切ってしまった人、

また通所ができない人でも利用できるオンライン有料学習サービスです。

 

学習内容はプログラミング、機械学習、データベースなどIT分野と

就労移行支援にあるようなビジネススキル講座、就職対策などがあります。

 

近年、「ニューロダイバーシティ」という

発達障害者の特性をありのまま受け入れようとする考えが受け入れられつつあり、

中でもIT分野で発達障害者人材を活用しようとする動きが広がっています。

 

参考サイト

www.meti.go.jp

 

IT関係の学習ができる就労移行支援事業所の中には

「これを勉強しても求人がないから就職できないのでは?」

と思ってしまうところもありますが、

ニューロダイブオンラインさんの親会社のパーソルグループさんは

豊富な求人情報を扱っています。

実際求人があるからこそこうした学習サービスを立ち上げたのだと思います。

 

就労移行支援ニューロダイブとの違い

  • 有料
  • 障害者手帳がなくても利用できる
  • オンラインで学習できる
  • 自分のパソコンを使う
  • ビジネススキル講座はニューロダイブの方が手厚い
  • 企業インターンがない
  • 入社後のフォローがない

一番違いが大きいのが「有料」でしょうか。

就労移行支援であるニューロダイブはほとんどの人が無料で利用できます。

(前年度の世帯収入による)

オンライン説明会で値段を伺いましたが、入会費+月額利用料金がかかります。

一般的なプログラミングスクールと同程度です。つまり何十万円。

 

ニューロダイブのWebサイトにある通り、

プログラミングなどの学習内容はUdemyの講座です。

Udemyは個人利用もできます。

 

Udemyの講座は個人利用で1講座で通常料金では1万円、2万円かかるものも多いですが

セール中は1講座1200円〜2000円くらいで購入できます。

講座ごとに買い切りになっており、1度買った講座はいつでも好きな時に受講できます。

 

1500円の時に買ったとしたら1ヶ月で4講座を買ったとしても月に6000円。

ニューロダイブオンラインは月額数万円。

つまり、単にUdemyの講座を受けたいだけなら

Udemyを個人利用した方が遥かにコスパがいいです。

 

料金の点だけで話をするならば、就労移行支援のニューロダイブに行ける人なら

オンラインよりも就労移行支援の方が断然おすすめです!

 

 

オンライン説明会、無料体験の感想

興味があったので説明会と無料体験を受けてみました。

説明会はZoomで行われ、後でPDF資料で見直すことができ、とても親切でした。

 

無料体験期間は2週間ほどで、1週毎にZoom面談があります。

1週目は講座を受講、2週目は受講した内容を元に成果物を作成します。

そして、成果物について最後の面談でフィードバックがあります。

面談以外にも、分からないことがあった時などに

チャットワークでやりとりできます。

 

無料体験はUdemyのこちらの講座を使って行われます。

 

www.udemy.com

 

講座の感想は、内容がちょっと古め。初心者には多分難しい。

 

変数やfor文などの説明がないまま講座が進んでいくため

プログラミング学習をしたことがない全くの初心者には難しいかもしれません。

不安な人はあらかじめPythonの基本文法を学んでおくといいと思います。

 

こちらのpaizaラーニングの講座は完全無料で学べます。

paiza.jp

 

講座の受講が終了するとその内容を元に成果物を作成し、

パワーポイントで提出します。

私は一応現役のエンジニアでスクレイピングの経験もあったので結構余裕でしたが

これを全くの初心者が2週間でやるとなるとどうなのかな?と思っていたら

無料体験の最後の面談で答え合わせがありました。

 

無料体験は向き不向きが大体分かる、「フィルター」なのだそうです。

発達障害者は人によって様々な特性があり、

全ての発達障害者がプログラミングに向いているとは限りません。

無料体験で出来が良くなかった人は

その後の学習進度も良くないことが多いのだそうです。

 

IT分野での求人が増えてきたからと言っても、まだまだ少ないのが現状です。

全ての人が希望の職種には就けない。

「必ずしも就職できるとは限らない」と説明会でも言われてました。

 

ニューロダイブオンラインさんで希望の分野へ就職できた人もいるようですが

高いお金を払っても就職できない人もいます。

 

また、Udemyは動画講座です。

発達障害者の認知特性は人によって様々で、動画学習が向いていない人もいます。

こちらの診断で自分が動画学習に向いているか分かります。

micri.jp

 

この診断で「3D」の項目が高い人は動画学習に向いていて、

低い人は本人の知能の高さに関わりなく動画学習が苦手のはずです。

 

ニューロダイブ、ニューロダイブオンラインは

人を選ぶところだ、というのが率直な感想です。

向いている人にとってはいいところ、そうでない人には厳しそうです。

 

 

就職できるかどうかについて

これが一番大事ですね!

面談でお話を伺いましたが、大手企業のデータ分析の仕事に就けた人がいるようです。

 

パーソルグループさん傘下のdudaチャレンジさんでも

データ分析の求人をいくらか見つけることができますし、

そのような求人は増えつつあります。

希望の職種に就けた人がいるのは本当に素晴らしいことだと思います。

 

しかし、データ分析以外の求人についてはどうなんでしょうか。

私は機械学習エンジニア、AIエンジニアに興味があって

無料体験に参加したのですが、正直難しいかもしれないです。

 

と、言うのも障害者雇用機械学習エンジニアの求人を見たことがないからです。

求人がなかったら就職できませんね。

本気で機械学習エンジニアを目指すなら一般雇用です。

 

それから、職員さんがエンジニア経験がなさそうな人でした。

面談で私の今のスキルについて聞かれましたが、

プログラミング言語のことしか聞かれませんでした。

 

エンジニアにとってプログラミング言語以外のスキルもとても重要です。

言語以外のことに詳しくなさそうなのは「未経験者目線」だと感じました。

エンジニア経験がない人がエンジニアの養成をするのは難しそうです。

言語以外のスキル、チーム開発経験などが

実務経験者と未経験者の間にある一番の壁だからです。

エンジニアの仕事はコードを書くより他のことをしている時間の方が長いです。

 

あとは、機械学習エンジニアはなった後も大変そうです。

私は現在Webエンジニアで、平日仕事、休日勉強してます。

機械学習エンジニアにはとても高度な知識や技術が求められます。

論文を読んだりするのが普通なのだそうです。

 

Webエンジニアでも結構辛いですが、

機械学習エンジニアになりたいなら更に勉強が必要になります。

機械学習エンジニアは高収入であることが多いですが、

エンジニアの収入はほとんどの場合、本人の知識や技術に比例します。

優秀なエンジニアほどたくさん勉強をしています。

高収入を目指すなら覚悟しておくべきです。

 

まとめ

長くなりましたが、最後にまとめです。

  • プログラミングなどの学習内容はUdemyなので特筆すべき点はない
  • 就労移行に行けるならそっちに行ったほうがいい(値段の点、手厚さの点で)
  • 就職できるとは限らない。向いてない人は特に。

お金に余裕があって、

Udemy以外の要素に入会金数十万円と毎月数万円の価値が見出せる人なら

まずは説明会、無料体験を受けてから考えてもいいんじゃないでしょうか。

実際に希望の職種に就職できている人がいるのは素晴らしいことです。

 

ですが、お金がない人、収入がない人が

就職するための最後の手段とするのはおすすめできません。

高いお金を払っても就職できるとは限らないからです。

 

この記事は決してニューロダイブオンラインさんを

悪く言うつもりで書かれたものではありません。

 

障害者雇用は単純労働であることがまだまだ普通の世の中で

発達障害者の特性が活かせる職種が増えてきて、

活躍している人がいることは本当に嬉しいですし、もっと増えてほしいです。

 

ただ、これを読んでいるのはおそらく、引きこもりで収入がない人が多いはず。

そんな人が求人も少なく就職できるとは限らないのに

高いお金を払う大博打をするのは危険です。

よく考えてからにしてください。

就労移行の方に行けるなら行ってください。

 

データ分析の仕事がしたいとしても、どんな求人があるか調べてからにしましょう。

求人が少ないため、希望の条件があるとは限りません。

特に完全在宅勤務は人気かつ求人数が少ないです。

 

 

機械学習に興味がある人へ

単に機械学習の勉強をしたいだけなら無料で学習できる方法がたくさんありますし

機械学習に興味があるなら、まずはそれらを試してからでも遅くないと思います。

qiita.com

 

機械学習エンジニアになりたいなら高いお金を払う前に

まずはQiitaなどで情報収集をおすすめします。

「未経験から機械学習エンジニアになった勉強法を公開」的な記事もありますので

そういった物を参考にするといいんじゃないでしょうか。

お金を払うかどうか判断するのは十分調べてからにした方がいいです。

決して安くはない料金を払うんですから。

 

 

次回は、私がWebエンジニアになるまでにしたことをざっくり。